社会人になっても、人は恋をするらしい。②目と眼差し

人は人を好きになると、好きだという「サイン」を出すらしい。

目線、声色、表情。その全てが「その人を好いている」と告げるのだとその人は言う。友人というべき人だ。

そして時には、その好いている人以外にも察されるほどの強いサインを発することもある。

 

人から向けられる恋心のサインは何なのだろう。学生時代とどう違うのだろう。

 

社会人になって、大人として恋心を隠すことが上手くなって、そんなサインは出さない人が多いのだと思っていた。

みんなどうやって想いを重ね合っているのかは知らないが、それが出来る人たちがうま〜くやっているのかな、と。

 

今ならわかる。

 

同じ職場で出会い、恋愛をし、結婚までした人を同僚としながらも、そこまで見る余裕が私にはなかったのだ。

 

今回は、私なりに、最近気づいたそのサインをまとめていこうと思う。

 

①眼差し

【視線】

…恋をすると、好いたその人をじっと見つめてしまうことが多いのだと気づいた。これは学生時代と変わらないように思う。

見られていることに気づいている、ということに気づかないのか?

三角関係の一つの頂点を担った彼(何と呼べばいいかわからない。背が私より遥かに高いので、背高くんとでも呼ぼうか)は、同じ部屋にいるとき、ねっとりした視線を常に私に向けていた。(同僚に言わせると『じと…』らしい。ある程度湿度をもった眼差しということだろうか。)

一挙一動をも見逃さない、絡みつくような眼差し。絡みついたところがチリチリ焦げるほどの熱量だった。

私の仕事ぶりを見ているのか、それとも身体の部位を見ているのかは分からないが、とにかく、じっと、そっと、私を見ていた。

視線には、言葉が載っていた。

「好き」だとか、「忙しいのだろうか?」とか、「話しかけていいか?」「あの話しかけてるやつは誰だ」とか。

分かりたい訳ではないのに、分かってしまう。それほど目は口ほどに物を言うということなのだろうか?

…もう一人の頂点を担う彼(グレーの髪が似合っているので、安易だがグレーさんとでも呼ぼう)も、私にそっと視線を向けているのを感じる。視界に入れる程度。ただ、私は彼に背を向けて座ることが多いので、そこまで感知できていると思わない。

しかし、私がどのような人間なのかは、背高くん以上によく分かっているようなので、仕事をする姿は、失礼にならない程度には見られていたのだろう。

昔の部活でのポジション、職場では見せていない性格など、なぜ分かっているのだろう。気になる。

 

【視線の色】

・背高くんとは、「友人」になってから何度か食事に行っている。他にも、社外で話をすることも多々ある。

その時の眼差しの色味を書いておこう。

 

…二人で歩いている時

まず、目が全く合わなかった。関係が深まる前だからかもしれない。

身長の差もあるが、意図的に目を合わせていない、のだと思う。

目の周りを中心に、マスクで隠れていない部分が真っ赤になっていて、二人で歩くことに緊張していることがよく分かった。

大人になっても、人は、顔を赤くするほどに緊張してしまうのだなあと感心した。

 

…ご飯に行って、背高くんが酔った時

私は酔っていなかったのだが、背高くんが酔ってしまった時、

目が、「愛おしいものを見る」ように細められた。笑みの形だ。ニコニコしながら、私をじっと見つめていた。私が気恥ずかしくなってしまうくらいに。

じんわりと暖かく私を包む、オレンジからピンク色が混ざったような眼差し。「愛」って眼差しで表すのならば、あんな感じなんだと思う。

視線が合いにくかった今まではなんだったのだ?なんて思ってしまった。

 

ちょっと疲れてしまったので、しかもこれ一回消えて書き直したので、投稿しておこう